『フレンズ提言』

今回ご紹介させて頂くのは、レオニス様 が執筆された『フレンズ提言』です。
「フレンズ」という存在について、様々な角度から非常に丁寧且つ分かりやすく説明されています。

レオニス様はけもフレのイラスト小説3Dモデル等多彩な活動をしてらっしゃる方ですが、その一方で#けものフレンズ考察班の一員でもあり、けもフレの設定や世界観を緻密且つアカデミックにまとめて話題になった「論文合同」にも参加されています。

↓こちらにも名前を連ねています。

このような本格的な考察、研究活動の一環として、今回の「フレンズ提言」が生まれました。
レオニス様自身が仰っているように、#けものフレンズわーるどで開示された設定を基に、独自の見解や考察を加えてまとめたものとなっています。

【概要】

そもそもフレンズとは一体何なのか、フレンズの体や心はどうなっているのか、フレンズ化の仕組みやプロセスはどんなものなのか?
まずそういった基本的なことを踏まえてから、アニメ2期に出てきたビースト化の設定に言及し、更には本来起こりえない筈の「ヒトのフレンズ」についても踏み込んでいきます。
フレンズ化の基本的なメカニズム→そのエラーであるビースト化→例外中の例外である「ヒトのフレンズ」、とフレンズ化の全容を順序立てて分かりやすく説明しており、「繋ぐ」ことを自身の本領と自負するレオニス様の真骨頂が存分に発揮されています。

けもフレの膨大な設定を整理したい、けもフレ世界の謎をもっともっと突き詰めたい、或いは自分もけもフレ世界の構築に参加してみたい……そういった方にはズドンと刺さる内容になっております。
また、上述の通りこの「フレンズ提言」はけものフレンズわーるどやアニメ2期BDに出てくる設定を基に著されたものであり、つまりこのフレンズ提言を読むということはけもフレの公式設定を改めて確認するということでもあります(勿論公式設定と完全にイコールというわけではありませんが)。
その為、これからけもフレ二次創作に挑戦してみようと考えてらっしゃる方にも、設定や世界観の構築にとても参考になるかと思われます。

詰まるところこの「フレンズ提言」は考察という知的活動の楽しさを一つに凝縮したものであり、本来受け手である我々すらも世界観構築という作り手の仕事に参加できるという、けもフレというコンテンツの懐の深さと可能性を端的に表わしていると言えます。
これまで当サイトでは様々な形でけもフレ活動をしている方々を紹介してきましたが、「考察」という形でも我々はけもフレに参加することが出来るのです。

【各章の特徴と構成】

【フレンズ化のメカニズムについて】

まず全ての基本である「フレンズ化のメカニズム」について。

端的に言うと、ガイアという神に等しい存在がフレンズの型(フレンズアーカイブ)を作り、そこに「星の知識」という材料を流し込むことでフレンズが完成するということを、図や絵を使って詳細かつ分かりやすく説明されています(フレンズアーカイブのところにバーバリライオンが入ってるところに、レオニス様の強い思念が感じられますw)。
言ってみれば神様が星を材料にしてフィギュアを作っているようなものであり、哲学者プラトンの提唱したイデア論に近いのかなと個人的には感じました。
以前こちらでオリフレを作っている方を紹介しましたが、正にここでいうところのフレンズの型を作っているわけですね。

個人的には、「ヒトの数やその生態圏への距離によって、同じフレンズの型でも細部に違いが出る」というところが特に興味深く感じられました。
我々自身も「人間」という一つの「型」で出来ているにも関わらず、個人個人の遺伝や体質、環境という「材料」によって一人一人大きく異なってくる_それと似たようなことがフレンズにも起こってくるわけですね(この解釈で大丈夫かな?)。
これによって、各媒体に出てくる同キャラが微妙に違う理由も矛盾なく説明できています。
アニメ2期のサーバルが異様に強かった理由に、おお!と感心させらました。

【ビースト化と後天化ビースト現象】

フレンズ化の基本をしっかり説明した上で、次はその例外的存在であるビーストについて。
本当に順序立てて、分かりやすく説明してくれています。

以前こちらでビーストであるアムールトラが主人公の小説を紹介させて頂きました。
この小説ではこの項目でいう「魂構築時のエラー」の原因を、「セルリウムの混入」と説明していますね。
また『フレンズ提言』では「ヒトとしての知識・理性」が100%「動物としての本能・個性」に浸食されていると述べているのに対し、小説では「ヒトとしての知識・理性」と「動物としての本能・個性」は(従属関係にはなっていますが)はっきりと分かれています。
こうして色々な方の様々な見解や考察を比較しながら二次創作に触れていくというのも楽しいですし、新たな考察の材料になるかもしれません。

それと後天化ビースト現象についてですが、大分前にニコニコで「せかいのちゅうしんであいをさけんだけもの」という動画が投稿されていました(元の動画は既に削除されています)。
この動画のサーバルの状態って正にこの後天化ビースト現象だよな、と当時のことを思い出し興味深く読むことが出来ました。
この動画が投稿されたのはアニメ二期が発表される前で、当然ビーストという設定はまだありませんでしたが、この頃からこういうことを考えている人がいたんだなと感慨深くなりました。

【ヒトのフレンズ】

基本→例外ときて、最後に例外中の例外中=特異点である「ヒトのフレンズ」についての解説です。
本当にレオニス様の「繋ぎ」が遺憾なく発揮されています。

ここの項目の核は、「アニメ一期最終話で、なぜかばんちゃんは生存することができたのか」という疑問です。
極論かもしれませんが、この『フレンズ提言』は、究極的にはこの問いに答える為に書かれたものであり、かばんちゃんという存在を科学的合理的に捉える為の試みとも言えるのかもしれません。
ともかくこの項目はそれ位重要なものだというのは確かだと思います。

個人的に印象的だったのは、他のフレンズと違ってかばんちゃんが成長出来た理由を、「決まった型を持たないから」というシンプルかつ合理的な理由で完璧に説明できていたところです。
本当に「腑に落ちた」という気分になれて、感心しました。

もう一つ、かばんちゃんが誕生できた原因の一つである「強い思念」。
「ヒトのフレンズ」という本来ならあり得ない奇跡すら起こせる程に、「あの人」は無念だったのだろうということも同時に物語っています。
「あの人」がパークやフレンズ達をそれだけ大切に思っていたからこそ、かばんちゃんは誕生できたのだろうなぁ、と考えると……
この「フレンズ提言」は学術論文調でありながら、そうした登場人物達の裏の心情も読み取れる、優れた読み物となっています。


【まとめ】

とにかく分かりやすく、そして興味深い!
自分では思いも寄らなかった視点やそもそも疑問にすら思わなかったところまで、丹念に考察しまとめ上げていて、目から鱗が落ちたような感覚でした。
実は密かに「いつか自分だけのけもフレを作ってみたい」とか自分も考えているのですが、そうした「世界観の構築」という点でもこの「フレンズ提言」は大変参考になりました。
これをきっかけにもっと色んな方々の「考察」に触れて、自分の中のけもフレ観を更に深めてみたいと、そう思わせるような作品でした。

ちなみに今回自分は「フレンズ提言」を、全ては紹介していません。
紹介していない部分は、皆様の目で直に見て頂ければいいかなと。

↓こちらから全ての部が読めます。是非一度お確かめ下さい!

最後に、今回当サイトでのレビューを快く了承して下さったレオニス様に、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

2 COMMENTS

ななしのフレンズ

なんでフレンズはみんな女の子なのかはまだ考察の余地がありそうだな・・・

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ななしのフレンズ

まとめありがとうございます。
こんな良質な考察を見落としていたとは……。

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