けもフレ二次創作小説「声なきけものの慟哭」

ビースト、アムールトラ。フレンズでも動物でもない中途半端で危険な存在。 しかし、本当に彼女はフレンズのなりそこないだったのだろうか? ただ本能のまま暴れフレンズとパークに害成すだけののけものでしかなかったのだろうか?
もしかすると、彼女は明確な意思を持っていたのではないのだろうか? もしかすると、彼女は自分がどういう存在か理解していたのではないだろうか?
声なきけものはかく語る。 そして彼女の行く末に待つ運命はいかに――

                                   (冒頭より抜粋)

今回レビューさせて頂くのは、SPARTAN-B814 村正レイ様(ケイド6.5様)がハーメルンにて連載されている「声なきけものの慟哭」です。     
アニメ「けものフレンズ2」に登場したビースト、アムールトラ(以下アムトラ)に焦点を当て、声なき彼女の孤独と葛藤を作者様独自の視点で克明に描いた、正にタイトル通りの作品です。
現在3話まで連載されており、読了時間はおよそ20~30分程。
ただ内容は濃く、アニメ本編ではなかったアムトラの悲しみや苦しみがこれでもかという程に描写されています。
ですので量はそれ程多くないながらも中身の詰まった作品を味わいたいという方にはうってつけかと思います。

まずアニメ本編にもあったビースト化の設定を、更に掘り下げようとする試みが面白かったです。
ネタバレになるので伏せますが、この作品ではビースト化になる物理的な原因を設定しています。
そして冒頭にもある通り、この作品ではビーストを「フレンズでも動物でもない中途半端な存在」として扱っています。
それはつまり、あり方は違うだけでビーストもフレンズも本質的には同じ存在だということを強調しているわけです。
このような設定の捉え方は自分も結構好みだったりします。

そしてそれ故にアムトラは自身のあり方について、強く葛藤することになる……
ビーストというそれまでのけもフレにはなかった設定を最大限に活かし、新たな形の主人公を作り上げたという点は、とても素晴らしいと思います。
いわゆる「けもフレらしさ」といったものから逸脱しながらも、ちゃんとけもフレ二次創作の主人公として成立しているわけです。

ただ作品の構成上当然のことではありますが、明るさやほのぼのと言った「けもフレらしさ」はこの作品には皆無です。
これはあくまでけもフレを別の側面から見てみたいという方向きの作品であり、そういう意味では最初からある程度読み手を限定しているからです。
ですが自分としては敢えてスタンダードなけもフレ(例えば現在絶賛配信中のけもフレ3等)を楽しむ為に、この作品を読んでみるというのもアリなのではないかと思います。
光は闇があってこそ輝くといいますか、様々なけもフレの楽しみ方も知っておくことで、けもフレというコンテンツそのものが更に味わい深いものになるのではないかと。
そういう懐の深さこそがけもフレの最大の魅力であると、個人的には思っておりますので。

アムトラというけもフレでも異色の存在に焦点を当て、その内面を丁寧に描写することで独自のけもフレを描くことに成功したこの作品。
正に「これぞ二次創作!」って感じの作品です。
アムトラちゃん大好きな方なら、きっと満足出来ると思いますよ(ここだけの話、最新話にはちょっとヤーンなシーンもあるので

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